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異常事態宣言
荒れる原油相場を時系列で解説
新型コロナウイルス感染者が武漢で観測~移動制限による需要減
12月上旬に中国武漢で最初の感染者が確認され、1/16には日本での感染者観測、アジア、アメリカでの感染も確認されましたが、中国の情報統制や、WHOのインフォでミック(笑)等によりなんだかんだ中国・湖北省の移動制限は1/23になされました。1/25香港で緊急事態宣言がなされたり、その後はご存じの通り世界大パニック状態です。

原油という観点では、渡航制限により飛行機が飛ばなくなるので原油の需要が大幅に減るので大暴落しました。観光業が大ダメージなんて言っている時はまだ私も含め他人事のように楽観視している人が多かったように思います。”原油が下落したことで、リスク資産も下落し、感染症としてのパワーは弱いが、経済的影響が見られている、いわゆるオイルショックだ”みたいな。それがこんなことになったのは、WHOの初期対応や中国の情報統制のせいでしょうね。その時の原油相場はこちら。

ロシア減産協調従わず、怒りのサウジ増産発表
3/6にOPECにて合意した150万バレルの減産にロシアも加わるように圧力をかけたましたが、ロシアはこれに応じず協議決裂となりました。この時点で、4/1に終了する減産協議の延長がなされないこととなり、各国に自由な生産が認められることとなってしまったのです。続く3/7、生産コストに余裕のあるサウジアラビアはなんと最大日量1200万バレルまで増産すると発表したのです。サウジアラビアはOPEC加盟国の中でも、原油の生産コストが最も低く、他国が赤字でもサウジアラビアは価格が下がってもその分売れば問題ない、わけです。この発表がされた3/7は土曜日で、月曜びにはとんでもない窓開けスタートとなりましたね。

シェール企業倒産、各国原油生産停止
原油生産国の生産コストは以下のようです。

英国は海上油田、ブラジルは深海油田を掘っているのでその分お金がかかるため、現状は生産するだけ赤字が増すため、油田の生産停止が進んでいます。シェールは技術革新により安くなってきていますが、サウジに比べるとまだまだ割高です。実際、米シェール開発の中堅企業ホワイティング・ペトロリアムは4/1に破産申請をして経営破綻しています。とんでもないことになってきましたね。この相場が続けば他の余力のあったシェール企業も続々と経営破綻する可能性がありますね。
実は2014年にサウジは同じことをしています。シェール企業が技術革新により原油の生産を拡大し、原油価格の下落につながっていた時、通常なら減産し価格調整するサウジアラビアは、今と同じように増産に打って出たのです。それは、シェール企業を潰すために行ったことです。以下は当時のグラフです。

当時は米国の株式市場も余裕があり、金融によりシェール企業は生存・その後の技術進歩による生産コスト減少により規模を拡大させ続けていました。ご存じの通り世界経済も今日まで成長し続けていましたから、生産増により価格は下落したといえども、中国中心に需要も増加、OPECの減産もあり価格はある程度維持されてきました。
しかし、今回はOPEC減産協議決裂による増産に加え世界的に原油の需要が大幅に落ち込む中、米国もシェール企業だけを助けるわけにもいかない状況。このような環境が続けばシェール企業は持たないことは自明でしょう。
シェール企業倒産→サウジ勝利の減産による生産コントロールといけば原油は大幅に上昇するでしょう。しかし実際には新型コロナによる需要減がいつまで続くか見通しがつかない中、トランプの減産ツイートなどに振らされるボラタイルな相場が続くことが予想されます。
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