為替

ファンダメンタル分析とテクニカル分析はどのように使えばいいのか?本質を理解する。

今回はテクニカル分析とファンダメンタル分析を深堀して考えてみます。

投資手法の本質を知るべき理由

株価やFXの分析には大きく2種類存在します。

1.ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析とは適正価格を算出し、株価や為替が適正価格より低い時に買って高い時に売ることで儲ける手法のことです。

2.テクニカル分析
一方テクニカル分析とは価格を時系列に描画し、滑らかに結んだ曲線であるチャートを分析し将来の価格を予想する手法のことです。移動平均法などが有名です。

この2つの分析手法を知っていることは投資をする上で非常に有利です。
しかし、分析手法は手段であって目的ではないことを認識していることの方がもっと重要だと考えています。

手段と目的の違いを認識していないことは、自分の行きたい学校や会社が決まっていないのに受験勉強や就活を始めるようなものです。

失敗してから気づいては遅い点で投資は人生と同じです。

人生でそうであるように投資の世界でも勝者は自分の目的が何かをはっきり認識しているものです。

ここで疑問投資における目的って何?

…将来の価格を予想して、利益を上げることですよね。

投資で利益を上げるために、なぜ多くの億トレーダーがファンダメンタル分析やテクニカル分析を使っているのか?

手法自体を学ぶ前にそのことを理解しないことにはマーケットという戦場に出向いてはいけません。

Pointファンダメンタル分析やテクニカル分析の手法それ自体よりも、その手法をなぜ使うのか本質を理解することが投資家の第一歩!

そして、そのことを理解するためには過去の事例を学ぶことが近道だと私は考えています。二つの手法の本質を過去の事例や著名人を引用して解明していきます。

ファンダメンタル分析の本質

結論

ファンダメンタル分析の本質は、多くの人が気づいていない適正価格を発見すること

このことを理解するためにジョン・バー・ウィリアムズとウォーレン・バフェットの事例を紹介します。

最初に紹介するのはジョン・バー・ウィリアムズ。彼は、ファンダメンタル分析手法の第一人者です。

ウィリアムズは株価の本質的価値は将来の全ての配当を割り引いた現在価値に等しいと考えました。

割り引いた現在価値とは?割り引くという概念は金融の世界では頻繁に出てくる概念です。
金利が1%の世界では現在の100万円は1年後に
100×1.01=101万円になります。
逆に将来の100万円の現在価値は
100÷1.0≒99万円だと考えることができます。
これが、将来の価値を現在に割り引くという言葉の意味です。

要するにウィリアムズは将来その株式に投資することで得られる将来のキャッシュフローこそが株式の本質的な価値だとして、投資家に配当から適正価格を計算することを推奨したのです。

もし株式を保有していることによって発生する配当を株価に織り込まれていないとすれば、配当の多い株式は少ない株式より割安だと判断できるはずです。

ここで疑問現在、彼の手法を真似して配当率から割安株を探すことは投資手法として優れているでしょうか?

結論は昔ほど優れているとは言えない、です。

今でも配当率として、ファンダメンタル分析に用いられることがありますが当時と今では決定的に違うことがあります。

それは当時は珍しかった配当による適正価格の算出も今では誰もが知っている当り前なことだということです。

私の見解も含みますが、ファンダメンタル分析が力を発揮するのは算出した本質的価値に気付いている人間が少ない場合です。

Pointファンダメンタル分析の本質は多くの人が気づいていない本質的価値を見つけ出すことである。

皆が簡単に知りえる情報から割安だと判断できても多くの人が気づいていながら買わない理由がある、もしくは既に買われていて実は割安ではないことがほとんどなのです。

ここで疑問では、どうやって多くの人の気づいていない価値を見つけられるのでしょうか?

答えを考える材料はやはり過去にあります。

ウィリアムズの後のファンダメンタル分析の代表的な人物としてウォーレン・バフェットが挙げられます。

彼はマクドナルドやコカ・コーラなどの優良企業に長期投資することで財を築いたことでとても有名です。

彼がなぜコカ・コーラの株価が上がると判断したのか、彼が当時用いた投資手法を例にファンダメンタル分析とは具体的に何をすることのかを考えてみましょう。

ファンダメンタル分析の具体例

バフェットが最初にコカ・コーラの株式を購入したのは1988年です。当時からコカ・コーラは成長企業で株式は割高だと考えられていました。

これが1988年のコカ・コーラ株のチャートです。右肩あがりに株価が上昇しており、そろそろ上げ止まると考え売り始めた投資家も当時はたくさんいました。

このときのPER(時価総額÷純利益)は10.7倍でした。純利益に対して10倍も買われているし、ずっと上昇していたのだからコカ・コーラを割高だ!と多くの投資家は判断したわけです。ウォーレン・バフェットを除いては。

彼は、PERの他にもう一つ指標を用いました。
それは、PEGレシオです。

PEGレシオはPER÷予想利益率で計算され、予想利益率に対してPERが高すぎるか低すぎるかを計算します。

彼はコカ・コーラが毎年18%ずつ成長すると推測していたので
PEGレシオ=PER(10.7÷)予想利益率(18)=0.6でした。

今では1より低ければ割安だと考えられています。

バフェットはこの数値から買い判断をして長期保有することができたのです。実際にこの後の株価はバフェットの予想通り右肩上がりで、PEGレシオは1付近に収束していきました。

予想利益率を推測するにはどうしたらよいのか?
これを行うためには企業分析が必要になります。そのためには決算書などを読めなければいけませんので、そちらは別途勉強が必要です。やる気のある方は企業分析用の書籍を1冊手元に持っているとファンダメンタル分析をより有効に活用できるでしょう。

この手法がなぜ成功したか事後的にみれば、

Point1.当時のコカ・コーラの株価を多くの投資家は上昇し続ける株価や単純なPERから割高だと考えていたこと。
2.PERだけでなく予想成長率を組み合わせたPEGレシオを用いれば株価が割安だと判断できたこと。

以上の2点が肝だと思います。この事例が示す一つの示唆は複数の指標を組み合わせることで有効な割安判断を行えるということでしょうか。

今となってはGoodleやAmazonの株価は、高い予想成長率を十分に株価に織り込んでいるように思われます。

以上のように簡単に過去の事例を見てきて、ファンダメンタル分析の目的はある指標に照らして割安だと判断することではなく、他人に知られていない価値を見つけ出すことだということが分かりましたね。

そのためには指標を組み合わせたり企業分析による成長予測だったり多面的なアプローチが必要だということも分かりました。

すぐに出来ることではなくどうしても勉強量が必要なのがファンダメンタル分析です。大変ですが読書が1番の近道です。

私の周りの凄腕トレーダーはみな非常に勉強熱心で仕事をしながら月に4,5冊本を読んでいました。

私も金融機関でFXのトレーダーをやっていましたが、そのときは長期のトレンドを分析するときに各国の経済指標や中央銀行の政策を分析、予想して取引をしていました。

その時にもどの指標の注目度が高くて、重要性があるのかなどたくさん本を読んで勉強していました。

テクニカル分析の本質

結論テクニカル分析の本質は他の投資家の投資行動や心理を予想すること

本質を理解すれば、機械的にチャートを見て買いシグナルや売りシグナルを判断すること以上の分析ができるようになります。

もしあなたが他人の心理を読み解くことが得意ならテクニカル分析を使用することは鬼に金棒かもしれません。

ジョン・メイナード・ケインズの唱えた美人投票ゲームの考え方が分かりやすいと思います。

美人投票ゲームとは?

美人投票ゲームとは自分が美人だと思う女性に投票するのではなく、最も多く票を得た美人に投票していた場合に賞金を得るゲームのことです。

自分が好きな美人ではなく、ほかの参加者が誰に投票するのかを予測してその美人に投票しなければ賞金を獲得することはできません。

ケインズは株価の上昇や下落は美人投票ゲームと同じメカニズムだと考えました。

極端ですが、自分が美人だと思うかどうかは好みの問題で、その好みに正解、不正解かなど存在しないとケインズは言いました。

ファンダメンタル分析はこれと同じで、誰から見ても適正価格だと言える価格などあり得ないと考えることもできちゃうわけです。

ここで疑問では、どのようにして美人投票ゲームで勝てばよいのでしょうか?

その答えがテクニカル分析の本質です。

1回限りの美人投票ゲームでは結果発表されるまで賞金がもらえるかどうか分かりませんが、もしこれを2回3回と繰り返すとどうでしょうか?

参加者がどのような女性に投票する傾向にあるのかが少しずつ分かってくるのではないでしょうか?

株価やFXでこの傾向を表すものがチャートです。
チャートは毎日、毎時間、毎分、毎秒美人投票の結果発表を表示しているようなものです。取引量は参加者の人数といった具合でしょうか。

チャートの形状や取引量から次の結果を予測することがテクニカル分析です。

Pointテクニカル分析の本質は市場参加者の傾向をチャートから読み解くことである。

ここまで理解できたら、テクニカル分析の場合はファンダメンタル分析と違い手法をたくさん覚えることが上達の早道です!

以下ではテクニカル分析の具体例を見ていきましょう。

テクニカル分析の具体例

テクニカル分析には様々な手法が存在します。

ここではドル円の為替相場を移動平均線を使って予想してみましょう。

おすすめの書籍

投資家は個人もプロも勝つために分析をします。そのために非常に簡略化した歴史を紹介しました。もっと詳しくなればなるほど、あなたの行動の深層に知識や考え方が根差して長期的な勝利をもたらしてくれると思います。以下で紹介する本はその糧となる良書ですので是非ご一読ください。

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理

この本はこの分野のバイブル的書物で初版が発行されてから45年も経っていますが、少しずつ時代に合わせて編集され12版が2019年に発売されました。株価を分析することをテーマにしていますがテクニカル分析を推奨するタイプの本ではありませんがファンダメンタル分析にもテクニカル分析にも言及がありすごく体系的でわかりやすいです。ですから、テクニカル分析を学ぼうと思っているあなたには批判的に見えるかもしれませんが、投資家たちの考えがこの本1冊である程度理解できると思いますので頑張って読んでみることをおすすめします。

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書

この本では恐らく株式投資初心者のほとんどが見たことないであろう企業の決算書の見方や、PERやPBR等の基本的な指標の正しい使い方が分かりやすく書いてあります。ファンダメンタル分析を本で学習するために一冊しか本を買っていけないと言われたら、必ずこれを買うというくらいこの分野ではバイブル的存在です。

チャートの鬼

私もこれでチャートの勉強をしましたが、テクニカル分析の手法を覚えるという観点でいえば特別分厚い本は必要ありません。この一冊で十分です。ローソク足とは何か?という非常に初歩的なところから、一目均衡表のようにプロの間でも頻繁に使われる有名どころのエッセンスまで幅広く網羅しています。